中華料理の代表と言えば北京ダックです。今回は、北京ダックについて調べていきましょう。
北京ダックはいつから食べられている?
北京ダックについて書かれている最古の書物に、南北朝時代の「食珍録」に記載されています。
当時は、「炙鴨」という料理名で登場します。
明王朝の明太祖の時代に首都を北京に遷都しました。その時に、この炙鴨を「北京ダック」と名付けたと記載されています。
この時の北京ダックはアヒルを吊って炙る方法で料理されていました。
当時使用するアヒルは体重が2キロから3キロのものしか使用しないという決まりがあったそうです。
清王朝時に作り方が増えた?
明から続いて生きた吊るして炙る北京ダックに新たな料理方法が出てきたのは、清王朝の時代です。
その時に、出てきたのは、蒸し焼きとチャーシュー(叉焼)です。
これで料理方法が、吊るしと蒸し焼き、チャーシュー(叉焼)の3つになりました。
この全てで棗(なつめ)の木を使用します。
北京ダックの現地の常識
1,使用する木は必ずなつめの木を使用する。
2,北京ダックの料理として提供する際に、必ず108枚に切って提供されます。これは、108という数字が縁起がいいという理由です。提供された際に108枚でなければ、現地では料理をキャンセルされてしまうそうです。
3,お肉の厚みにも決まりがあり、幅が0.6センチで長さが4.5センチと定められている。
4,各お店に北京ダックを切る料理人がおり、一人前になるためには10年を要すると言われています。日本のすし職人と似ていますね。
5,切るのは、必ずテーブルでお客様の目の前で行わなければいけません。これは、絶対ルールだそうです。
6,使用する甜面醤にも決まりがあり、門外不出の調合がされており北京市内で2工場のみが製造を許可されています。実際に現地で聞いてみた話を聞いてみましたが、レシピなどが知りえることはありませんでした。
7、残った骨はスープにして提供してくれます。
吊るして料理する北京ダック
では、料理方法の違いで味は変わってくるのでしょうか?
吊るして料理する場合、炙られて出た油が下に落ちていくため、さっぱりとしており脂っこくないという特徴があります。ただ、お肉の油が失われるため濃い味付けを好む方には少し物足りない味になっているかも知れません。
吊るし機にも特徴があり、その機械を持っているお店でしか提供出来ません。
北京で導入されている最も有名なお店が「全聚徳」というお店です。
蒸して料理する北京ダック(蒸し式)
なつめの木に刺したアヒルを専用の蒸し器に入れて蒸し上げて作ります。
蒸すことにより、油が逃げることを防げます。そのため、うま味などが損なわれることがない為、しっかりとした味付けでアヒル本来の味も楽しむことが出来ます。
現地の方が好むのは、蒸して料理された北京ダックを食べています。
中国の庶民料理として提供しているお店が多く、お値段もこちらの方が安く味わえます。
チャーシュー(叉焼)式
こちらも、蒸して作ることには違いがないのですが、蒸し方に違いがあります。
こちらは、アヒルにはちみつや醤油を塗りつけて蒸し上げるため、皮はパリパリになります。味も甘めに仕上がるため、お年寄りや子供、女性に大人気です。
料理の注文の際に「蒸し式」か「叉焼式」か聞いてくれますので、違いを理解して注文しましょう。
まとめ
いかがでしょうか。北京ダックと一口に言っても色んな種類があり、驚きです。
旅行の際は、これらの違いを知った上で、どんな方法で料理された北京ダックか知っておくと面白いですよ。お店を検討する際もこの違いを知っているとより自分の好みのお店を見つけることが出来ますよ。
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